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 ノックの後、レイの、"Come in(どうぞ)"、という声を確認してから、隼人と巧は司令室のドアを開ける。中に入ると、そこにいたのはレイだけではなかった。 「あれ、朱音……」 「やっ」  席に座るレイの隣に立っていた朱音が、右手を軽く上げて微笑む。 「来たわね」レイが椅子から立ち上がる。 「おう、来てやったぜ。早速だが、話って何だよ?」  隼人と巧はレイの机の手前に並ぶ。  レイは机をよけて二人の目の前まで歩き、ゆっくりと眼鏡を外して彼らを見上げる。間近でじっくり見ると、その顔はやはり明らかに少しやつれたようだった。  無理もない。正式な基地司令として作戦の指揮を任されたのだ。その重責はいかばかりだろうか。巧はレイに同情すると同時に、ふと、彼女の顔に、いつかどこかで見たような表情が浮かんでいることに気づく。  "そうだ……あれはレーダーサイト中継所の修理に二人で向かった日……レイが僕の本音を聞き出そうとした時に見せた、あの顔だ。少し、思いつめたような、どことなく、悲しげな……" 「あなたたち……元の世界に、帰れるわよ」  レイがぽつりと言う。 「えっ……!?」 「何ぃ?」     
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