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どんなに辛い事があっても、朝はやってくる。
そして慌ただしい日常が繰り返されるのだ。
ーー何が悪かったのかな。
それでも、心に浮かぶのはあいつの乾いた笑み。
出会った頃は、もっと明るい笑い方してたよなあ。
それってやっぱり、俺の責任なのかな。
缶のコーヒーを一口飲む。昼休憩なのに、ちっとも食欲が湧かない。
ーーもう、あいつの飯を食うこともないんだな。
不器用な彼女の得意料理は、味噌汁だった。
よくからかったけれど、俺はあいつの味噌汁が好きだった。
少し濃いめの味を思い出すと、鼻の奥がつんとした。
コーヒーが苦いせいだ、きっと。
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