それでも前に歩かなきゃ

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 夕暮れ時、帰路につきながら、溜め息を落とした。  ずっと、あいつのことばかり考えている。  しつこいな。  傍に居てくれてた時はむしろ素っ気ないくらいだったのに。そりゃ、愛想を尽かされても仕方ないか。 「でも、好きなんだよ」  ふと漏れた呟きに、ああそうか、と気付いた。  ーー俺はあいつが好きなんだなあ。  さりげなくコーヒーのおかわりを入れてくれるところとか、怒ってても可愛いところとか、俺が落ち込んでいたら、黙って隣にいてくれるところとかーー。  次から次へとあいつの顔が浮かんで、たまらなくなった。
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