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食べきれないほど沢山の食事が運び込まれるも、食事のマナーをしっかり学んできた訳ではないリリアナにはまるで食べた気がしなかった。
ナイフとフォークの使い方もポルカの見よう見まねだ。味わう余裕などどこにもない。
もそもそと食事を食べながら、先ほどあった人達の事を思い出す。特に、最後に出会ったレルムはとても衝撃的だった。
(ペブリムさんに双子のお兄さんがいたなんて知らなかったな……。そんなこと、ここに来るまでに一言も言ってなかったし)
言う必要がなかっただけなのだろうが、何となく教えてくれても良かったのにと、残念な気持ちになる。
夜にしか会えない……。
そう限定されると、なんだかもどかしいような気分になる。
(明日、ペブリムさんに会えたら聞いてみようかな。レルムさんのこと)
水の入ったグラスを手に取り、口に含む。その時、グラスに写る自分の顔が無意識にもほころんでいる事に、本人も気付いてはいなかった。
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