4.君のいる夏

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4.君のいる夏

 花火の夜から一週間後の日曜日の朝は、夜通し降った雨のせいで湿気が凄かった。  せっかくのオフなのに。  ベッドに寝そべったまま天井を見上げていると、携帯が枕元で二度、ラインの通知を知らせて短く震えた。 『河野文哉:朝起きたら虹かかってた! 窓の外見てみろよ、しかも二重!』  送られてきたのは住宅街の上にかかる綺麗な七色のアーチの写真。  文字からでもテンションだだ上がりなのが伝わってきて、私は思わずにやついてしまう。  写真をよく見つめてみたら、綺麗な虹の上にもう一つ薄い虹ができていた。    ダブルレインボーだ。  珍しい。写真を撮ってわざわざ送ってくれるわけだ。
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