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まずいな。
魔力で傷を癒すが、時すでにお寿司、、、じゃなくて遅し。
かなりの血を流した後だ。
心なしか手にもしびれが走る。
右手に持っていた剣は力が入らなくなった手の平からするりと抜け炎の中に落ちていく。
くそっ!
助けて!おまいら!!
っていうかさ、こういうピンチな時って特殊な能力が開花したりするものじゃん?
それが私にきたっておかしくない。
、、、、、。
うん、、、そんな都合よくないか。
貧血で暗くなった視界の中、とりあえず追撃をされないように国王を探す。
あ、あれ?どこ、、、
「思った以上にあっけない。」
そう背後から声がしたかと思うと首を乱暴に掴まれた。少しくすぐったいような、指が皮膚に食い込んで痛いような感覚に全身にぶわっと鳥肌がたつ。
瞬時に風の魔法を発動させ、国王の手から逃れる。
首がジリっと焼ける音が一瞬したが、なんとか火傷で済んだようだ。大した痛みはない
「ちょっと、今のセクハラで訴えられてもおかしくないですよ!?」
コンプライアンスなんて知ったこっちゃないだろうけど。
後ろを向くとニクラスと空中で向かい合う。
私を掴んでいた腕の軍服はズタズタに切れていて、白い生地がじわりじわりと赤く染まっていっていく。
痛そうだ、、、
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