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「スヴェン様、こちらはあらかた収まりましたよ。観客達も落ち着きを戻してます。」
「すまない、助かる。」
「いえ、とんでもない。それにしてもこれはまるで巨大砂嵐ですね。昨日の土のドームも驚きましたが、これもなかなか」
クラウディオは砂の渦を見上げた。
「中がどうなってるかはわからんが、、、、、、なんだ。」
クラウディオがにこにこしているのが気に入らない。
「いえ、何も。ただ、貴族当主の方々は中が見えなくてつまらなさそうだな、と。」
スヴェンが貴族の方を見るとそのほとんどは立って覗こうとしている。
それを見てため息が出る。
まったくこの方々は、、、
「おさまりますわ!一体どうなっているの!?」
アルベルタ・ヴェーラーの声につられて、クラウディオもスヴェンも闘技場に目をやった。
徐々におさまる砂の渦から見えたのは、空中にとどまる少女の姿だった。
「あらまあ!!」
アルベルタ・ヴェーラーは嬉しそうに声を上げた。
地面にはニクラス国王の白い軍服が落ちているのが見える。
「やったわ!あの子がやったわ!」
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