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十二貴族は観客席を立ち上がった。
「まさか、こんな結果になるとは」
エドゥアルド・バストリーニは呟いた。
「ほんとねー、楽しくなりそうだわ。」
「アルベルタ様、正気ですか?」
「あら、本気よ?に、してもすごい魔力だわ。どうやったらあれだけの魔力を手に入れることができるのかしら。」
「女王ですか、、、あまりいい気はしませんね。」
「まぁ、女王にいいイメージは私もないですね。ダレン様はどう思われます?」
「いや、私は、、、」
ダレンが答える前にアルベルタ・ヴェーラーはダレンを押しのけた。
「キーン卿、グレーナー卿、それはルアンヌ様のことをおっしゃっているの?あの方はあの方で素敵でしたわ。」
「あの魔女が、か。」
グレーナーが鼻で笑うとアルベルタはぷくっと頬を膨らませた。
「何よ、あなたにはルアンヌ様の良さはわからなくてよ。」
「お前はあの魔女の魔術にでもかかっているのではないか?」
「そういうところ、嫌われますわよ!」
「事実だろ、」
そう言いあうグレーナーとアルベルタを男が制する。
「こらこら、若者たちよ、その辺にしておきなさい。」
「セアド様、私達を子供扱いするのはやめて欲しいですわ」
「同感だ。」
2人とも決して子供でも若者、と呼ぶほどの年齢ではない。
しかし、やりとりはまるで子供だ。
貴族に生まれた彼らのプライドは山より高い。
セアド・シュパンゲンベルクは咳払いをすると見た目は大人、中身は子供たちに向かって言った。
「さぁさ、新王に挨拶しに行こうではないか。」
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