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 次の日の任務も、カズサとイトノはツーマンセルを組まされた。  タロウ大将直々の命令であるが、カズサにとっては悪意しか感じない。  助手席に座るイトノは、いつもの不機嫌そうな顔で、流れる渋谷の街並みを眺めていた。  車中、一言も話さない後輩を横目に、カズサが話題を捻り出す。 「そういや、神泉にいい焼き鳥屋ができてよ。そこの親父が勧めてくれた……」 「知りません」 「俺の好きな……」 「うるさいです」  渋谷の交差点に近づく頃には、カズサのイライラが限界に達していた。  怒りを抑える為に口を閉じたところで、今度はイトノが会話を振った。 「悪魔の出現場所って事前に探知できるんですか?」  カズサはブレーキで速度を落とし、ハンドルを切りながら答えた。 「使徒の能力ってのは戦闘用だけじゃねぇ。探知能力や防御結界を作れるやつ、回復促進能力を持つやつもいる」  質問を投げかけた割に、イトノの返事はなかった。愛想というよりも礼儀の問題だ。  カズサが説教を始めようとしたところで、探知班が示したビル群に到着。  カズサは車を止めると、イライラをぶつけるように乱暴にドアを開けた。     
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