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1話神は暇
天界で人間界を観察していた幸運の神フォルトゥーナは
退屈な日々を繰り返していたただひたすら人間を見ている
たまに遊び半分で人間界に訪れては、幸運を与えたり
していたが、それがゼウスに見つかり人間に干渉してはならないと
きつく叱られてしまいそれ以降ただ眺めるだけの日々が続いた。
そんなフォルトゥーナを慰めるのが友人の死と再生の神キュベレーだった。
「今日も暇ね」
人間界を覗く水瓶を見ながらフォルトゥーナはキュベレーに愚痴っていた。
「仕方がないじゃない、人間にお節介してたのがバレたんだから、暫くは
おとなしくしてなさいよ!」
暇をもて余すフォルトゥーナにキュベレーは嗜めるように言った。
「まぁねぇー」
そう言いながら腕から外した腕輪をクルクル回しながら、ため息まじりで答えた。
「でもさぁー人間に幸運を与えると皆、神様ありがとうって言うじゃない、日頃は
感謝を出さない人間が幸運があると感謝をしてくるのよ。その感謝が
私の力の源なのよ!ちょっとはゼウス様もわかって欲しいよね」
人間界で言えば会社で上司の愚痴を言ってるのと変わらなかった
「貴方はやり過ぎなのよ!バランスを考えないと、与えた分だけ不運を撒き散らすのよ!」
もはやお説教タイムになっていた。
「いいのよ!私が気に入った子が幸運になるなら、あとは知らないわよ!」
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