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少し小首を傾げて、胸の辺りで手を動かす。『まだ、飲みものは大丈夫』そんな意味で。
そう応えると、シュウちゃんが少し微笑んで頷いてくれた。
「じゃ、それだけください」
シュウちゃんの言葉に一礼してウェイトレスが下がっていく。
「呆れた……」
マキが声を上げて、私を、そしてシュウちゃんを見比べる。
「何、今の?」
怒ったみたいしてマキは私を見ている。
「へ? マキさん、あれっ、どうかしました?」
マキの言葉と態度の変化に動揺した風の宮本くん。
「……やっぱり怪しい」
腕組みをして、私とシュウちゃんを交互に見るマキ。
「怪しい?何?えっ?」
マキの隣に座る宮本くんもマキの視線を追い、私とシュウちゃんを見る。
「へ? 2人のこと?」
「そうですよ。怪しい怪しいと前から思ってたんだけど、今のではっきりしました」
テーブルに身を乗り出してくるマキ。
「付き合ってたんでしょ! 岡田課長も樹里も白状しなさいよね」
私は慌ててシュウちゃんを見た。
どう答えた方がいいのだろう。迷っている私をよそにシュウちゃんは、少し息を吐いてから
「俺たちは、付き合ってたよ」
と、簡単に白状してしまった。
「うわっ、やっぱり! だから、課長は樹里だけ特別扱いだったんだぁ」
「付き合ってた? 嘘っ、岡田課長と宮路が?!」
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