星を数えて

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シュウちゃんは、頭が良くて合理的な人だ。 そして、シュウちゃんは、とても頑張っている。本当に進みたい道を諦めて、親のため、家のために面白くもない経営や今の仕事に繋がる本を読んで頭に入れようとしている。 だから、あの時、私はシュウちゃんを無言でかき抱いた。それを思い出すと、切なくて泣きそうになる。 シュウちゃんが家族のこと、自分の自由にならない人生について愚痴ったことは、一度もない。 シュウちゃんが屋上に行って、どうにもならない想いを紙飛行機に乗せて飛ばすのには、理由がある。それが少しでもシュウちゃんの気持ちを楽にする術で、その術を私にも教えてくれたシュウちゃんを、私は勝手に理解した気になっていた。 「マキさんは、これから恋愛するとして、どんなのが理想?」 相変わらず宮本くんがマキに恋愛トークをしかけている。 「そうだなぁ」 真剣に考えている風のマキ。 私は、微笑みながらマキを見て、それから、ゆっくり窓の外へ視線を投げた。 綺麗な夜景も感じのいいピアノの曲も、今の私には必要無い。 「うーーん。結局、お互いが笑っていられる関係の恋愛かなぁ。もちろん、ドキドキもしたいけど」 マキが真剣に応えた言葉が、何故か胸につき刺さってきた。     
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