願い

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シュウちゃんは、私の言葉に少し面食らったような顔をした。 「なるほどな。宮路は、ひとつで足りるか?」 サンドウィッチを手にしたくせに今更そんな事を聞いてくる。 「手をつけてから、そういうこと言われても足りないとは言いにくいですよ」 時間もないので、私もたまごサンドにかぶりつく。 「そうか。宮路ならそういうのもハッキリ言うのかと思った」 いつの間にか、隣の椅子に座り、私があげたサンドウィッチを食べるシュウちゃん。 「……目が腫れてる」 誰もいないとはいえ、会社の中なのにシュウちゃんは私の顔へ手を伸ばしてくる。 「ちょっ…と、岡田課長……大丈夫ですから心配しないでくださいよ」 伸びてきたシュウちゃんの手をサッとはらいのける。 「心配しちゃダメなのか?」 いつもプライベートでよく目にする眉毛を下げたシュウちゃんの顔が目の前にあった。 「! 岡田課長、何言ってるんですか? ははっ」 シュウちゃんってば、どうかしてる。 会社とプライベートがわからなくなってるんじゃない? 昨日の言い争いの後遺症だろうか。 「もう少しだけ我慢してくれないか? 樹里」 「じゅっ! 樹里って、ちょっと、シュウちゃんじゃなくて課長、どうかしてますよ。ここは会社で…」     
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