蜜が欲しくなる

3/23
2418人が本棚に入れています
本棚に追加
/215ページ
「あ、すみません……」 甲斐に手伝ってもらうが 脚に力が上手に入らず 小鹿のようにフルフルと震えていた。 「きゃっ――」 「失礼いたします。」 甲斐にお姫様抱っこされて ベッドに運んでもらうなんて 情けない……。 「この香り……」 甲斐の胸の辺りから 微かにだったけど甘い香りがした。 また嗅ぎたくなる、そんな香り この香りどこかで―― 「どうかしましたか?」 「いえ……」 どこかで嗅いだことがある香りだった気がしたけど 気のせいだって、この時は思った。 「ここの朝食は美味しいですよ。」 「ありがとうございます。」
/215ページ

最初のコメントを投稿しよう!