甘い蜜

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甘い蜜

「もっとこっちに来てごらん、結衣。」 「……」 「今日は積極的だね、結衣。私を跨ぐなんて。」 部屋の中には白いベッドが一台。 時計も携帯もないから、何も音がしない。 だからこそベッドに乗ったらスプリングの軋む音がすごく響く。 きっと他の人の部屋なら聞こえないぐらいの小さな音だけど その音でさえ、私は興奮する。 「イヤラシイ匂いがする。もう濡れているのか?」 そう、この部屋は音だけでなく 生活臭もない。 ゴミ箱さえないのだから……。 この部屋は私の五感を刺激する、そんな部屋。
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