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今日は幼い頃からの親友の佐伯麻由と、このカフェで待ち合わせをしているのだが、待ち合わせの時間に遅れるとレナがカフェに着く直前に連絡があった。
マユは最近創刊された女性向けファッション情報誌の編集長をしているため仕事柄とても忙しいようで、待ち合わせに遅れたり、予定をドタキャンなんていうことも珍しくない。
今日もなんとか時間の都合をつけるからと言って会う約束はしたものの、おそらく予定外の仕事ができて足止めを食っているのだろう。
レナは左手に持っていたカップをソーサーの上に置いて、チラリと腕時計を見た。
待ち合わせの時間から、すでに20分が経過している。
(マユ、遅いな……)
今日は会えるだろうかとレナが少し不安に思っていると店のドアが開き、黒髪をなびかせたスーツ姿の女性が急ぎ足で近付いてくる。
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