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本当は話したいことがいろいろあった。
でもいざレナを目の前にすると、何から話せばいいのか分からなくなってしまう。
昔のようにとまではいかなくても、少しでも距離を縮めたいと思うけれど、あまり強引に踏み込むとまたレナを怖がらせて、避けられてしまうかも知れない。
だけどやっぱり、少しでも長く一緒にいたい。
(もう少し……もう少しだけ、このままで……)
「そろそろ帰ろうかな」
すっかり日が暮れた頃、レナはバッグにカメラをしまいながら呟いた。
「そうしようか」
駅までの道のりを、学生時代のように二人並んでゆっくりと歩いた。
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