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あの頃は毎日当たり前にしていたことなのに、今の二人の間には易々と踏み込めない深い溝があるような、そんなぎこちない空気が流れている。
電車に乗ってもレナはあまり話さず、ぼんやりと窓の外を見つめていた。
少し経った頃、レナと並んで座席に座っていたユウの肩に、ふと重みが掛かる。
電車の窓に映る二人の寄り添う姿を、ユウは愛しそうに見つめた。
(寝てる……。きっと疲れたんだな……)
ユウの肩にそっとより掛かるようにして眠るレナの体温を感じて、ユウは優しく微笑んだ。
(寝顔もかわいいな……)
ユウはレナの細い肩を優しく抱いて、起こさないようにそっと頭を撫でる。
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