動き出した時間

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「腹減ったな」 改札口を通り抜けると同時にユウが呟いた。 「どこかで晩飯でも食うか」 「……うん」 不可解な自分自身に戸惑いながらも、レナはできるだけ普通でいようと平静を装った。 駅のそばのレストランで夕食を取った後、ユウは腕時計をチラリと見た。 (まだ別れたくない……。もう少し……もう少しだけでいいから、このまま一緒にいたい……) 「まだ、時間大丈夫?」 「うん、大丈夫」 「じゃあ、少しだけ飲まない?この間のバーにでも行く?」 「うん……いいよ」 二人はほんの少しぎこちなく距離を取って、バーに向かって歩き出した。
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