動き出した時間

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レナと二人でいて退屈なんてするわけがない。 喉元まで出掛かった言葉が照れくさくて、ユウはビールと一緒に喉の奥に流し込んだ。 「また連れてってよ」 「……そうだね……」 うん、とは言えず、レナは曖昧に答える。 レナは、もうすぐニューヨークに行く事も、須藤と結婚することも、ユウに言えないでいた。 隠す必要などないのに、どうしてもその話をすることができなかった。 (私……もうすぐユウとはまた離ればなれになるのに……須藤さんと結婚するのに……こんなふうにユウと二人でいて、いいのかな?) ただの幼なじみならそんなふうに思わないはずなのに、どうしてこんなに須藤に対してもユウに対しても、後ろめたい気持ちになってしまうんだろう?
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