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バーを出たレナは、ひとつ大きなため息をついた。
(この前とはまた違う女の子だった……)
この間のエミリにしても、先ほどのアヤにしても、ユウと一緒にいる女の子は、胸の大きな若い女の子ばかりだ。
(そういえばサエも……その後噂になっていた女の子たちも、みんなそうだった……)
昔を思い出しても、やはりみんな同じように女の色気を漂わせ、可愛らしく媚びるような猫なで声でユウに甘えていた。
(もしかして、ああいう子が好み……?)
レナは上着を羽織り掛けて、自分の体をふと見下ろす。
細くて背が高くて、胸もまったくないわけではないが、お世辞にも大きいとは言えない。
モデルとしては恵まれた体型なのだろうが、彼女たちに比べたらあまりに貧相で、色気の欠片もないとレナは思う。
あんなふうに男性が喜ぶようなかわいい声も出せないし、上手に甘えることもできない。
レナは自分には足りない物を持つ彼女たちをほんの少し羨ましくも思いながら、事務所とは反対の方向へと歩き出したのだった。
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