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「好きなら好きって言えばいいじゃん」
「……そんなに簡単じゃないよ」
ユウは少し苦しげに呟き、ため息をついた。
「ずっと今の関係のままでいられるとか、このままでいいなんてオレは思ってないけど……オレたちの関係が変わることを、レナは望んでない」
「ふぅん、そっか……」
シンヤが思っていた以上にレナを強く想うユウの気持ちが痛いほど伝わってきて、シンヤはそれ以上何も言わなかった。
(素直になればいいのに……。レナちゃんだってきっと同じくらいユウを大事に想ってると思うんだけどな……)
他人の目から見るとじれったくもどかしい二人の関係は、いたずらにつつくと壊れてしまいそうな絶妙なバランスで保たれているのだとシンヤは思った。
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