第1章 殺しの現場

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無邪気と言えば、無邪気かもしれない。 そんな子供の未来を、ここで奪っていいのか。 明希は、頭を激しく振った。 日向が誰かに言えば、自分の身は危なくなる。 自分の命と、日向の命、どちらが重い? 普通の人なら、人殺しの命と比べるなと言うだろう。 だが、明希はまだ、生きたい。 この先、どうなるか分からない人生を、もがきながらでも生きたい。 明希は、弾をセットした。 「日向、ごめんね。」 銃口の向こうに、日向の頭が見える。 引き金を引くのは、今だ。 その瞬間だった。 日向が銃口に向かって、真っすぐにこっちを向いた。 「いいよ。」 日向は、両手を大きく広げた。 まるで、撃って下さいと言わんばかりに。
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