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スーツケースに、いっぱいの札束。
いつもの2倍はあった。
「値がいいのね。」
「それだけ大物だって事と、明希さんの腕がいいんですよ。」
あの後、西島会長は心臓発作で急死と、ニュースで告げられた。
誰も、他殺を疑わなかった。
「ところで、少しの間、ここにいてもいい?」
「いいですよ。元々、ここは廃墟ですから。」
陽は、ニコッと笑うと、明希に背中を向けた。
「それだけかよ。」
誰かが、下から階段を昇って来た。
「明希は、殺しの現場を見られたって言うのに、その坊主を生かしておいているんだぜ?」
「情さん。」
陽は、嬉しそうに情に近づいた。
スナイパー仲間の、村上情と言う人間だ。
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