第2章 殺しの掟

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スーツケースに、いっぱいの札束。 いつもの2倍はあった。 「値がいいのね。」 「それだけ大物だって事と、明希さんの腕がいいんですよ。」 あの後、西島会長は心臓発作で急死と、ニュースで告げられた。 誰も、他殺を疑わなかった。 「ところで、少しの間、ここにいてもいい?」 「いいですよ。元々、ここは廃墟ですから。」 陽は、ニコッと笑うと、明希に背中を向けた。 「それだけかよ。」 誰かが、下から階段を昇って来た。 「明希は、殺しの現場を見られたって言うのに、その坊主を生かしておいているんだぜ?」 「情さん。」 陽は、嬉しそうに情に近づいた。 スナイパー仲間の、村上情と言う人間だ。
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