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「明希さんの、今回のターゲットです。」
情はそれを聞くと、明希の顔を覗き込んだ。
「関係ないな。見られた人間が、生きているってだけで、俺達は安心して眠る事ができないんだ。」
「だから、連れてきたんでしょ。」
明希は、情を睨むように言うと、一旦立ち上がった。
「見られた相手は、何が何でも殺せ。俺が、入りたてのおまえに、教えてやった一番大事な言葉だ。」
「そうね。」
明希が、陽に出会ったのは、数年前の給料日前の事だった。
貧しく、何百円かの残金しかない中で、今日は何を買うか、彷徨っている間に、暗い路地の一角に入ってしまった。
そこには、いい服を着た陽が立っていた。
『お姉さん、スナイパー志望?』
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