第2章 殺しの掟

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「明希、忍耐強い方か?」 「さあ。分からないけど、待つのは苦じゃないわ。」 「ならいい。」 情は銃を組み立てると、茂みの中に紛れ込んだ。 明希も、情の側に寝そべった。 情は、スコープを覗くと、一言もしゃべらずに、ずっと待ち続けた。 一緒にいる明希の方が、今か今かと、ドキドキしていた。 30分くらいしただろうか、遠くからタッタッタッと走ってくる音がした。 情の手に、力が入る。 どうやら、今回のターゲットらしい。 情は、狙いを定めると、後ろから心臓を目がけて、一撃だった。 苦しむように倒れた、ターゲット。 本当にやったのか、明希が頭を上げた時だ。 「うわー!ひ、人が死んでいる!」
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