第1章 殺しの現場

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陽が落ちて、闇に覆われた都会の片隅。 仕事を終えた人々が、それぞれの場所から、出てくる時間。 「あーあ。今日も疲れた。」 「ねえ。どこかでパーッと、飲んで行こうよ。」 派遣先のオフィスビルで、他愛のない話に華を咲かせるOL達。 その中に、西川明希はいた。 「西川さんは?一緒に飲みに行かない?」 「今日はパス。用事があるんだ。」 明希は、薄いコートを羽織り、周りよりも早くビルを出た。 彼女の向かう先は、二駅先のタワーマンションだ。 セキュリティーが厳しいが、配達員の人に紛れて、入り口を突破した。 エレベーターに乗り、最上階まで昇って行く。 その上には非常階段から繋がる、ヘリポートがあった。
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