第2章 殺しの掟

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男の声が、周りに響いた。 その瞬間、情が明希に覆いかぶさった。 ガサガサッと言う、茂みが揺れる音に気付き、男は茂みに近づいて来た。 明希の体に、情の鼓動が伝わる。 ここで見られたら、一巻の終わりだ。 このまま立ち去ってくれ。 情の願いも虚しく、男は情を見つけてしまった。 だが男は、情と明希が茂みで重なり合っているのを見て、遠慮したらしい。 少しずつ、遠のいて行った。 ほっとした情。 明希から体を放し、銃に手を伸ばした。 「行ったか……」 情は銃を隠し持ちながら、茂みの中から出て行った。 その時、後ろからあの男が、声を掛けて来た。 「村上?村上か?」 情が振り返ると、その男は情の知り合いだった。
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