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何事もなかったように、銃をバッグにしまい込む情を見て、明希は背中の汗が止まらなかった。
明希は、その事を思い出して、身震いをした。
やはりここにいては、この子も自分も危ない。
「それで情さん。今度の仕事は……」
陽と情が仕事の打ち合わせで、コソコソ話している中、明希はこっそり日向を起こした。
「ん……何?」
「ここを出るよ。」
明希は、日向の手を握ると、陽から貰ったスーツケースを片手で持った。
引いて歩いたら、陽や情に見つかるからだ。
「おいで。」
明希は、情や陽が背中を向けた瞬間、ドアを開け、その影に隠れるようにその場を去った。
「おい、明希!」
後ろから、明希を呼ぶ情の声だけが、響いた。
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