第3話 母子家庭

1/10
前へ
/64ページ
次へ

第3話 母子家庭

半年後。 子供の声が鳴り響く、団地の中。 日向はここを、駆け抜けていた。 「ただいま。」 「お帰り、日向。」 1階建ての二部屋。 ここが日向と、一緒に住んでいる明希の住処だった。 そして日向は、地元の小学校に通い、明希は近くのスーパーで、パートとして働いていた。 明希と日向は、周りから見ても、仲のいい母子家庭に見えた。 隠れながら暮らしていく事に関しては、二人は完璧だった。 そんなある日だ。 明希がパートから、帰って来た時だ。 玄関の前に、情の姿が見えた。 「情……」 「久しぶりだな、明希。」 情は、懐かしそうに明希の近くに寄ってきた。 「こんなところに、住んでいたとはな。探したよ。」
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加