第3話 母子家庭

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「何しに来たの?」 「おいおい、久しぶりに会ったのに、そんな口調あるかよ。」 情は、明希に顔を近づけた。 ふんわり香る煙草の匂い。 情の側にいる時は、この匂いが何よりも愛おしかったのに。 今は、邪魔な匂いでしかない。 「日向なら、ここにいないわよ。」 「嘘つけ。二人で暮らしているって言うのは、既に承知の上だ。」 明希は、バッグを強く握った。 日向が帰って来る前に、この男を何とかしなければ。 そんな二人を、周りの通りかかる人は、ジロジロと見て行く。 「とにかく、早く中に入って。」 明希は、情を家の中に押し込んだ。 情は中に入ると、自分の家のように靴を脱ぎ、テーブルの前に座った。
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