第1章 殺しの現場

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その場所へ着いた明希は、コートを脱ぎ、黒いセーターに着替えた。 勿論下は、黒いパンツを履いている。 そして持ってきたテニスのラケットの袋を開けると、手慣れた感じで、銃を組み立てた。 それが終わると明希は、スコープを使って、向かいのビルを覗いた。 そこには今回のターゲットの、西島コーポレーションの会長がいる。 明希の仕事は、会長の命を奪う事だ。 派遣の仕事だけでは、生活が厳しく、人づてにこの仕事を紹介してもらった。 最初は人殺しなんてと思ったが、一人殺せば、年収分のお金が手元に入ってくる。 そして明希も腕も、確かだった。 球筋は首元を捉え、その銃痕は0.5mmと見えない程小さく、相手はまるで眠るように死んでいく。
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