第1章 殺しの現場

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その腕のお陰で、明希は警察の目を逃れる事ができるのだ。 この時も、明希はヘリポートに腹ばいになり、向こうのビルの西島会長を、銃口は捉えた。 「待っていてね。痛みなく死ねるから。」 明希は狙いを定めると、引き金を引いた。 相手は、一瞬固まると、ガクッと肩を落とした。 周りにいる役員が、会長の体を揺らす。 小さな小さな銃弾だから、ほど出血もない。 そして誰も、暗い夜の中、ガラスに直径0.5mmの穴が開いているとは、気づかない。 明希はそれを見届けると、銃を解体し、テニスのラケットのケースに入れ始めた。 その時だった。 「お姉ちゃん、そこで何してたの?」 明希はハッとした。 振り返った先には、小学生程の男の子が立っていた。
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