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その腕のお陰で、明希は警察の目を逃れる事ができるのだ。
この時も、明希はヘリポートに腹ばいになり、向こうのビルの西島会長を、銃口は捉えた。
「待っていてね。痛みなく死ねるから。」
明希は狙いを定めると、引き金を引いた。
相手は、一瞬固まると、ガクッと肩を落とした。
周りにいる役員が、会長の体を揺らす。
小さな小さな銃弾だから、ほど出血もない。
そして誰も、暗い夜の中、ガラスに直径0.5mmの穴が開いているとは、気づかない。
明希はそれを見届けると、銃を解体し、テニスのラケットのケースに入れ始めた。
その時だった。
「お姉ちゃん、そこで何してたの?」
明希はハッとした。
振り返った先には、小学生程の男の子が立っていた。
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