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「僕……いつからいたの?」
「あのね、お姉ちゃんが銃をパァーンって、撃つところから。」
見られた?
現場を見られた?
「そうか。僕の名前は?」
「菅原日向スガワラヒナタ。」
「何歳?」
「7歳。」
明希は、ゴクンと息を飲んだ。
たかが7歳の男の子が、銃を撃ったからと言って、”人を殺した”と認識できるだろうか。
いや、認識しなくても、人に言うかもしれない。
そうなったら、明希は警察に捕まるかもしれない。
『現場を見られたら、そいつを殺せ!』
この仕事を教えてくれた、仲間がそう言った。
『これは、殺し屋の掟だ。』
明希は、ゆっくりとテニスケースのファスナーを閉めた。
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