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「その銃で、僕を撃つの?お祖父ちゃんみたいに。」
「お祖父ちゃん?」
明希は、顔を歪ませた。
「うん……お姉ちゃんが撃った人、僕のお祖父ちゃんだよ。」
「西島会長の……孫?」
明希は、日向の真っすぐな瞳に、吸い込まれそうになった。
どうする?
撃つか?
撃たないか?
明希の手に、汗が滲む。
「でも、いいんだ。」
日向は、急に歩き出した。
ヘリポートの絵に添って、飛んだり歩いたり、自由に遊んでいる。
まるで、お祖父ちゃんが死んだ事を、悲しんでいないようだ。
「お祖父ちゃん、悪い事いっぱいしてたもの。死んだって仕方ないよ。」
明希は、銃を降ろした。
そんな事、小学生が話す内容ではない。
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