第1章 殺しの現場

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「お姉ちゃんは、どうして人を殺すの?」 飛んだり跳ねたりしながら、日向が聞いてくる。 「さあ……どうしてかしら。」 銃口を日向に合わせるが、あっちこっちに動くので、照準が定まらない。 「お祖父ちゃんはね、この世のクズを、抹殺するんだって言ってたよ。」 明希は一瞬、息が止まった。 自分には、そんな思想が、全くない。 陽と言う請負人に言われた通り、仕事を遂行する為。 今回だって、西島会長がどういう人物か、知らずに打った。 だが、可愛い盛りの孫に、そんな事を言うとは、性根は腐っていたのだろう。 「お姉ちゃん、カッコいいね。僕も銃をバンバンって撃ちたいな。」 そして日向は、手で銃の真似をして、撃つ真似をしている。
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