1.  good-bye    

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 メリルって、本来は上品でおしとやかな良家のお嬢様なんだけど、今朝は違った。好奇心オーラが全開で放出されている。  少し垂れた大きなヘイゼル色の瞳は、キラキラと輝きまくっている。  ドアが開くのも待ちきれずに、隙間からスリムな身体を滑り込ませ、あたしの手を取るといきなり怒涛のマシンガントークが始まった。 「ごきげんよう、テス。どうなりまして?  気になって、押しかけてしまいましたわ。だって、あなた、あれから何も言ってこないのですもの。  あの後、彼に会いに行ったのでしょう。今からデートだって、ニコニコ幸せいっぱいってお顔していましたもの。もう、ごちそうさまって感じでしたわ。  相思相愛のお相手がいらっしゃるって、とっても素敵なことですわね。うらやましいですわ。  わたしも大学生活を送っている間に、たくさんの殿方と恋愛をしてみたいと思っていましてよ。うふふ、これはわたくし事ですわね、ごめんあそばせ。  それで首尾はどうでしたの? 結果が気になりましてよ。  わたしまでソワソワしていますのに、テスったら結果報告してくれないのですもの……水臭くってよ。あら、どうしてそんな顔なさっているの?  ――ねえ、テス。ちゃんとリックにプロポーズしていただいたの?」  満面の笑みで繰り出される、残酷な質問。もちろん悪気がないのは、十分理解しているんだけど……。 「あ~~~~ん!!」  もう、泣くしかないッ!
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