1.  good-bye    

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 リビングのソファにあたしを挟んで、右にクリスタ左にメリルが座り、当事者を置き去りにし て今後の対策会議が始まっている。 「結婚祝いのプレゼントまで考えていましたのに――。  テスみたいな娘は、早くステキな旦那様を見つけて、家庭を持って、かわいい奥さんになった 方がよろしいんですわ。そうすれば、落ち着きましてよ。 今のままではフワフワヒラヒラしていて、危なっかしくて見ていられませんもの。ねえ、クリスタ。  ほら、テス。泣くのは構いませんけど、お鼻が出ていてよ。かわいいお顔が台無しですわ。  クリスタ、ティッシュを取ってくださいまし。はい、ちゃんと拭くのよ。泣いてばかりいるから、のどが渇いたでしょ。  飲み物……ダメよ、クリスタ。コーヒーじゃなくて、ミネラルウォーターがよろしいわ、そちらのボトルを取ってくださいませ。  はい、飲みましょうね。水分補給は大切ですのよ」  メリルは、事細かに面倒を見てくれる人よ。ただし、なんだか赤ちゃんになった気分になるんだけど。 「早く結婚した方がいいってのは、あたしも賛成なんだが、結婚祝いはいくらなんでも早いだろ、メリル」     
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