1.  good-bye    

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 長い腕を伸ばして取ったボトルをあたしに渡しながら、クリスタが反論する。 「あらあ、おめでたいことは、早い方がよろしくってよ!」 「そりゃあ、テスがリックと結婚すれば、あたしの面倒事の半分は無くなるだろうから大歓迎さ。  基本、リックは悪い奴じゃないからな。スポーツマンで一本気だから、多少押しつけがましい ところはあるが、間違ったことは言わんし。 まあ、モテるんで、すぐに図に乗るところが欠点かな」 「ふぇえん、だ……だから、だ…から、結婚なんて、ひっく、ひっ……しないんだからああ」 「ああ、よしよし」  そう言って、クリスタはあたしの頭を撫でる。あたしの意見、無視? 「でも、リックってお幾つなの。えっ、20歳。それは若いわ!!」  ちなみに、毒舌クリスタも、「若い!」と言ったメリルも、そして泣いているあたしも、ここにいる3人は全員18歳なのよ。 「殿方の20歳なんて、まだ子供でしてよ。身長ばかり成長しても、精神年齢はお子様ですもの。小学生と大差ありませんわ。  テス、あなた、結婚相手を選ぶのでしたら年上になさいましな。包容力のある、落ち着いた大人の殿方がよろしいわ。  そうですわねぇ、思い切って30歳くらい年上なんていかが?   きっと可愛がってくださるわよ」 「いやぁ、大人のオトコじゃ、テスがお子ちゃま過ぎて、相手にしてくれないさ。  ここはあと5年ほど余裕を見て、リックが大人になるのを待つか。んん……あいつのことだから、もう少し期間を追いて7年のほうがいいか。  せめて就職してくれんことには、なあ。経済力の無いオトコはつらいぞ」  もうふたりとも、あたしを(さかな)に遊んでいる。  その後もあたしを置き去りにしたままの対策会議なんだか、ふたりの恋愛持論討論会なんだかが続いていた。 8de807ed-9c23-4a69-ae4b-1b4c3587e431     
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