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どうしよう、まだ胸のつかえが取れない。やっぱり、病気かしら。
「なんだ、具合でも悪いのかい?」
あたしの顔をグッと覗き込んで、親友が尋ねる。身長差36センチは、なかなか大変。
「うん……。そういえばそうなんだけど、違うかもしれないし……」
「朝から歯切れの悪い返事だなぁ」
まずはどうやって話を切り出すかが、大問題なのよ。
何気なく覗いた鏡の中のあたしは、憂鬱そのもの――って顔をしていた。
癖のあるプラチナブロンドのショートヘアは、気持ちとは裏腹に軽快に畝っているし、昨晩はよく眠っていないから、目の下にはうっすらクマが出来ている。
(バイトなのに、ヤバいわよね。この顔じゃ……)
鏡の中の自分にまじまじ見入っていたら、ライトブルーの瞳に、なにか映ったような気がした。
(――――――――!?)
なに、今の? 気のせい……よね。
……っていうより、寝不足が祟っているの。
ええっ、幻覚視るほど重い病気なんて、困るわ。
カウンセリングを受けた方が、いいのかな。
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