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「おぉーい、食事にしよう」
クリスタがTVを点け、朝のニュースショーにチャンネルを合わせると、コーヒーをマグカップに注ぎだした。
いい香りが、ふわっと拡がる。少しだけ、気が晴れてきた。
キッチンのカウンターテーブルで、ふたりで並んで朝食。
オープニングテーマ曲のさわやかな旋律と共に始まった朝のトップニュースは、この惑星の南半球の観光開発問題に関することだった。
いつもの朝の続きが始まる。
クリスタは気持ちよくお皿の上のモノを片づけていくけれど、あたしはフォークが進まない。
話を切り出すタイミングを、探り続けているから。
(そうよ、さりげなく、さらっと話せばいいじゃない)
「オレンジジュース、飲む?」
「今日は、いい」
時間が経てば経つ程、言い出しにくくなることは、わかっているの。
(だから、サクッと何気なく……)
「ケチャップ、かける?」
「いらない」
(メゲちゃ、いけない。勇気を出して話すのよ。さあ、さあ……あ……、あ……)
はあぁ……、朝から気が重い。
なんでこんな思いしなくちゃならないんだろう、たかが、たかが…、たかが……オトコと別れるってことだけで!!
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