勝ち誇るモッキング・バード

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 一朝一夕(いっちょういっせき)には、  「創り上げられる」ものではなかったのだ。    わたしの、「完全な見通し」は、  『ライダー』、おまえのごとく、  おまえ「だけ」の「天賦の才」で、  「構築できる」代物では、なかったのだ。  その構築には、何人もの、「わたしを慕い、追随してゆくものたち」の、努力の集合体が、欠かせなかったのだ。  『ライダー』、わたしはおまえに同情しながらも、  おまえを敢えて逆上させてやるよ、  からかってやるよ。    百万光年、言われ続けてきた、  『ひとはひとりでは生きられない』、  この「お説教」を、  おまえへの挑発、  おまえへの摘発、  おまえへの『鎮魂歌』として、  何回でも、浴びせ続けてやるよ。  『ライダー』、おまえの落ち度は、  共同体を、  充実した共同体を、  構築できなかったこと、  より正確に言うならば、  共同体の構築に、  考えが及ぶことすら、まったくなかったこと、    そして、  ひとりよがりの『ライダー』よ、  おまえは、根本的に、「自分以外の人間が見えなかった」、  そしてさらに、「自分の外にある世界に対する折り合いのつけ方」が、  微塵もわからなかった、  すなわち、  『ライダー』、     
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