勝ち誇るモッキング・バード

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 要するに、おまえは自分以外の存在を認められなかった、  自分以外の存在を知っていたとしても、  石ころのようなものとしか思えなかった。  矢崎という、無垢な存在を、おまえは一貫して自分と同一視してしまっていた。    『アトム』を、  いや、わたしすらも、  つまり、か弱い『モッキング・バード』すらも、  矢崎が、傷をつけることさえできなかった、  その、おまえの敗着(はいちゃく)は、  わたし、『モッキング・バード』が、  ここまで告げてきたことで、  ほとんど証明できるにちがいないのだ。    
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