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プロローグの代用 太陽系の果て
せっかく、『再誕』したのに、
『モッキング・バード』は、
ぼくを宇宙から追い出すんだ。
いま、冥王星かどうかも、わからない。
小型シャトルのなかで、呼吸がうすくなってきた。
めまいがするほど、黒い。
言葉をしたためるノートも紙も、ない。
筆記用具も、酸素マスクも、
いろいろの生命維持装置も、ない。
『モッキング・バード』よ、
この仕打ちは、どうなんですかね。
『モッキング・バード』よ、
貴方は、ぼくが、「負けた」、と思っているようだ。
だとしたら、ぼくは、
いったい「何に」負けたんですかね?
消しゴムで消すように、銀河が消えていき、
太陽系の宿命も、ぼくから、立ち去ってゆく。
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