2.九灯明日人《くとうあすひと》

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 玄関に上がり込み、ホッピングして廊下を歩いていった。 奥の部屋に続くドアが半開きになっている。 くちばしで押して中に入った。 リビングルームで、革張りのソファが二つ、コーヒーテーブルを挟んで置かれている。 恩人の人となりを掴んでおこうと、ぐるりと一周してみた。  よく片づいている。 飾り棚にずらりと並んだ盾、勲章の数々に目が行った。 あの桜の紋がついた記章は、功績のある警官に授与されると前に聞いたことがある。 射撃大会の記念盾には「九灯明日人(くとうあすひと)」という名が刻まれていた。  壁の時計は昼十二時を指している。意識を失ってまる一日が経過していた。
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