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「うむ・・」
「キミは、感じたのだろう、あいつらの不思議な力を。いや、超能力を。ただ単に、強力な肉体というだけじゃなくて。あいつらは、これからの調査でわかるとは思うけど、人工的に超能力も増進させていた」
「そうですか、興味ないですが」
「ふむ・・」
「それよりも、なかなか、ミチコ、キンケイド署長の看護に熱心じゃないですか、もしかして、ミチコ、キンケイド署長に、気があるんじゃないですか」
「それが、どうしたね。私も、あのキンケイド署長は、すごい人だと思う。白人なんだけど、このインディアン居留地を含む一帯の雑多な人種にこだわることも無いわけで。稀有な人、ミチコさんが、惚れても何の不思議も無いが」
「やっぱり、そうですか。というか、オレはそういうのが気になるお年頃でね」
「む・・」
「それが、オレの身の丈というものでしょう?」
「そうかな・・」
「え、違うんですか?」
「少なくとも、長老ポペイのご意見は違うようだ」
「うむ・・」
「私も、あったことは無いが、噂のソニー・リンクスという黒人幼児は、3歳だったけど、大人顔負けの超天才児で、あの界隈の大人で口で適う人間は一人も居なかったそうじゃないか」
「それが、何か?」
「長老ポペイが、キミを彼に合わせたいと思ったのは、まさに、彼に会うことで、キミに何か変化が起こることを期待したのじゃないだろうか」
「それは、ポペイが?」
「いや、あくまでもわたしの推理だよ」
「じゃあ・・・」
「キミも、クリスタルチャイルドの一人じゃないかと」
「僕が、まさか・・純粋な”ウルフ・アイ”族の人間ならまだしも、僕はまったく外様ですからね。その昔、僕の父が民俗学者だった父が、研究のために立ち寄って・・これも半ば偶然ここを観光で訪れていた日系二世の母と出会ったというだけの縁ですからね」
「でも、今は天涯孤独のキミは、世界中のどこよりも、ここに”ふるさと”を感じた、違うかね」
「日本よりはマシでしたね、確かに」
「ふむ・・キミ、一時期日本に住んでいたこと、あるんだってね」
「ええ、まあ」
「僕たちが日本を離れてから、半ば入れ違いにキミは日本に来た」
「ええ、まあ」
「山本明、それがキミの日本での名だったね」
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