第一章

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「私たちは神の忠実なる(しもべ)ですから、悪魔に騙されることなどそうそうありますまい。そこで皆、これは神の試練に違いない『天使の分け前なのだ』そう諦めているのです」   「しかし、納税は必ずやって来ます。要領の良い者たちは、減った酒に水を混ぜて帳尻を合わせています。しかし、私にはそれができません。正直な私は、税をちゃんと払い、正直に酒を売っているのです。そこで、神様にお尋ねしたいのです。神様はなぜ私のような正直者に、このような過酷な試練をお与えになり、人並みの幸せを奪われるのでしょう」
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