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「好きなやつとする、なんて…そんな幸せ求めてたら一生無理でしょ?」
何が、とは言わない。
湊さんも分かりきっているだろうから。
「…俺の初恋の相手、絶対好きになったらいけない人だったんです。でも、その人と一緒にいると、世界が違って見えて、汚れた自分が浄化されていくような。そんな感覚があったんですよね」
だから。
「大事にしたいと思った。ずっと寄り添い続けたいと思った。でも…その人には、誰よりも大切な人がいた」
「…」
「そして、どんどん離れて行きました。それから俺は、箍が外れたように、遊んでいました。人を余裕で裏切って、悲しませて。好きな人と出来なかったことを、他の奴らでまかなおう。と思って、今に至ります」
息苦しくなり、ネクタイを緩める。
この話、嫌いなんですよね。
…人を悲しませるから。
「望まない性交ほど不満足なものってないと思うんです」
「…」
「…同情するとか、ふざけたことはしないでくださいね」
やや笑いながらそう言う。
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