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「はいはい。恵子さん。俺忙しいんで他にいってくーださい」 「ぶううぅ…」 え、その歳でほっぺた膨らますか?普通。 悪いけど、俺そういうの嫌いなんだよね。 「おーおー、モテモテだなあ?湊」 恵子さんが去った後、前にいる同僚の多田 広臣が話しかけてきた。 「ちげえから。ていうか、俺はモテない」 「イケメンは皆そう言うよーだ」 フンッ!と言いながら仕事に戻った多田。 …まあ、これが俺の日常だ。 年上の女に話しかけられ、同僚に茶化される。 別に暇だなんて思わないし、すげえ充実とも言えない。 この顔のせいで無駄に話しかけられたりする以外は、文句なしの生活だ。
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