社会人生活の送り方~羽島努の場合~

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社会人生活の送り方~羽島努の場合~

羽島さん、おはようございます。 所長、おはようございます。 俺が職場に着くと、所長が声を掛けてきた。 ここに所属している社員自体はかなりいるようだが、出勤時間が周囲に比べて特殊な俺は、ここで所長以外に会ったことがない。ちなみに、所長は俺より年下だが、ここの会社での勤務歴はかなり長い。こんな話をすると、 お前の会社、なにやってるの? と友人にはよく突っ込まれる。 細かく説明すれば、理解はしてもらえるが、一般社会人とはだいぶ異なる仕事なので、いまいち共感はしてもらえない。 羽島さん、今日は西川さんのところ、14時からの予定でしたよね?先程連絡が入って、30分遅らせたいとのことで。問題ないですか? はい、今日は夜にもう一件だけですから、問題ないですよ。 良かった。じゃあ、西川さんには私から了承の旨伝えておきますので、よろしくお願いしますね。 そういうと、所長は自分のデスクへ戻っていった。 相変わらず、腰の低い人だ。年上といっても、俺は部下だから、もっとフランクでも気にしないのに。 とはいえ、偏屈な人が多いこの会社だ、所長も色々苦労があるのだろう。 俺は、昼の予定と夜の予定の間の時間が狭まった分、準備に職場へ戻らなくてすむよう、それぞれの準備に取りかかった。
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